長泉寺

丸子町中丸子:百瀬 善之 住職
〔連載第87回〕

 丸子町中丸子の「長泉寺」の創建年代は不詳だが、創建当初は丸子町寺屋敷にあった。寛文十二年(一六七二)、恩泰和上が現在地に移転した。
 天命三年(一七八三)に焼失したが同八年に再建された。現在の本堂は当時のもの。本尊は不動明王。寺宝としては、元応二年(一三二〇)の在銘のある板碑(丸子町有形文化財)。この板碑は、阿弥陀三尊仏が蓮華座の上に梵字で刻まれており、鎌倉期の在銘板碑としては他に例がなく貴重な遺品である。
 なお、隣接している稲荷神社は当寺の守護神であったが明治の神仏分離令により寺から分離され今日に至っている。
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