西蓮寺

長門町古町:酒井岳純住職
〔連載第63回〕

 長門町古町の西蓮寺は、寺伝によると六四二年頃、如来を伊那座光寺(現飯田市)から善光寺へ遷座の際、長門町長窪に仏宿を定められ、そこに一宇を建立したのが寺のおこりと伝えられる。
 その後一二〇四年、遊蓮房園照上人が寺を興し、一二二二年善恵証空上人(法然上人の弟子、西山浄土宗の祖)が再興造立した。その後、鎮西正統了誉聖冏上人の弟子徳瀛上人が中興開山となり、これより知恩院末寺となる。一七八九〜一八〇〇年頃、欄間騒動等の紛争により炎上したが、山門、庫裡、鐘楼等は残った。本尊は阿弥陀如来(桃山様式、長門町指定文化財)で西山国師十六霊場第三番札所となっている。また境内に万延元年、立川二代・和四郎富昌の二男 富種が建築した天神社本殿が祭られている。
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