幸祐寺

東部町和:細萓照明住職
〔連載第9回〕

 玉尾山幸祐寺(真言宗智山派)は今から約三百二十年前、延宝元年に開山、現在の本堂は明治十九年に完成した。

二幅のめずらしい仙人画
 寺には江戸時代に描かれた大きな涅盤画を始め、仏画が伝わっているが、中国人の仏画家・唐寅(とうきん)の手による二幅のめずらしい仙人画を所有している。  二幅の仏画は江戸時代、当時の松本城主、松平忠周から拝領したもので、絵を納めている木製の箱には 「寛政十六年に再表・芳田康貞」の銘があり、それ以前に描かれたものであることがうかがえる。 暇摸仙人は背中に大きなかえるを背負い、力強い風貌をしている。
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