中禅寺

上田市前山:坂部弘雄住職
〔連載第8回〕

 上田市塩田平の独鈷山のふところにある真言宗・中禅寺は今から千余年前に空海上人が真言道場を開いたと伝えられている。数度の火災にあい現在の本堂は享保十九年に開山、祐精法印により建立された。
薬師堂(重要文化財)
 茅茸の宝形造屋根を持つこの御堂は県下最古の木造建築物で昭和十一年に国から重要文化財の指定を受けた。美しく素朴なたたずまい。堂内には藤原時代の定朝様式を伝える木造薬師如来座像が安置されている。これからの時期、寺の周りには季節の花が咲き乱れ、美しさが一段と加わる。また、お寺の入口には「ちょん休庵」という茶店があり、名物の薬師だんご(三百円)が人気。
backnext