耕雲寺

真田町傍陽:小山寿広住職
〔連載第56回〕

 真田町傍陽の耕雲寺永録二年(一五五九)村上義清が開基となり安養寺五世法輪坊水南の開山により創建されたと伝えられる。中興は明和七年(一七七〇)に在住した五世浄岩清和尚。

 本尊は阿弥陀如来。製作年代は室町時代中期と推定され、像底部に元和八年(一六二二)と後補されたときの年号が銘記されている。気品あふれる重厚な坐像で町の重要文化財に指定されている。

 昭和三十五年、寺の裏山から石造五輪塔と宝篋印塔が多数出土した。由緒などについては不明だが、文亀四年(一五〇四)の陰刻銘があるものや人骨も確認されており、村上義清の家来を供養したのではと考えられている。
 三年前から寺を守る小山住職は二十八歳。「地域の人に寺でありたい」と話している。

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