芳泉寺

上田市常磐城:柳楽(なぎら)真純住職
〔連載第49回〕

 上田市常磐城の土蔵作りの家が続く「歴史の散歩道」を上るとしっかりとした造りの山門があり(写真下)、山門をくぐると真正面に本堂がある。境内には石碑や庭石が置かれ、常不動菩薩像が建つ。また、呑み龍堂、搭頭の円覚院、経蔵の法輪閣、袴腰の鐘楼などが点在している。
 慶長五年(一六〇〇)、真田真之が同寺の前身、常福寺を菩提寺とし、信之の正室・小松姫はこの二十年後亡くなり、本堂の西側に立派な墓石が建っている。
 そしてお霊屋も建っていたが、元和八年(一六二一)、信之が松代に移封した折り、松代大英寺にうつされた。なごりの跡地が弁天池。
 信之に代わり上田城主になった小諸城主になった小諸城主の仙石忠政は常福寺を修築し、小諸の菩提寺・宝仙寺をここに移した。その翌年、父秀久の墓を改装し、この際、寺号を円覚院芳泉寺とする。 仙石氏の霊廟は本堂の背後に重臣達の献燈に囲まれている。
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