正福寺

上田市秋和:綿貫照長住職
〔連載第38回〕

 上田市秋和の正福寺の開創は天平年間(729〜748)といわれる。
正福寺の境内は今、コスモスや萩が咲きみだれている。
山門をくぐるとすぐ左に「千人塚」の石碑がある。これは寛保二年(1742)、千曲川が大洪水した時のもので上田藩主が諏訪部の河原に流れついた遺体をあつめて埋葬した。また本堂前には弘法大師像があり、その前に釈尊の足跡を彫った「仏足石」が安置してある。この石は総本山の智積院から勧請されたもの。 足の裏には千福の輪宝が刻んであり、除災のご利益があるという。
【勝軍地蔵と馬鳴(めみょう)菩薩像】
 当寺に安置する尊像・馬鳴菩薩は蚕神として養蚕農家の人が信仰を寄せていた。
 右手に桑、左手に蚕を持っている。勝軍地蔵は作者不明だが、同寺に安置してあるのは甲胃に身を固め、白馬に乗っているという大変珍しい姿をしている。
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