宗吽寺

上田市横町:桑沢俊猛住職
〔連載第19回〕

 寺の伝えによると始めは上田城大手の堀際にあったこの寺を中興開山慶英法印の時現在の地に移したといわれる。元和八年(一六二二)上田藩主として入部した仙石氏、後の松平氏の時代を通じて祈願所となった。松平氏の時代には参勤交代で出府の時、寺は命を受けて出立の吉日を決めたことが、「海野町本陣日記」に書き残されている。
 このあたりはかつて、常田庄の庄域であり、八条院御領であったが、後に南朝の後醍醐天皇に伝領される。
 貞享三年(一六八六)、五代住職の時作った真言宗開祖「弘法大師座像」と「興教大師座像」は昨年十一月から北九州まで修復に出していたが、二月九日に里戻りした。製作された当時の鮮やかな色がよみがえった。
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