中禅寺

上田市前山:坂部 弘雄 住職
〔2016年1月26日掲載〕

 上田市塩田平の独鈷山のふところにある真言宗・中禅寺は今から千余年前に空海上人が真言道場を開いたと伝えられている。数度かの火災にあい、現在の本堂は享保十九年に開山、祐精法印により建立された。

薬師堂(重要文化財)

 茅茸の宝形造屋根を持つ薬師堂は木立にかこまれた静かなたたずまいの中に、ひっそりと建っている。県下最古の木造建造物で昭和十一年に国から重要文化財の指定を受けた。
 堂内のほの暗い中には右手のたなごころを前に向け、左手に薬の壺をのせ、優しいまなざしで見つめる木造薬師如来座像が安置されている。そのおだやかな顔は、お祈りをする人にはかり知れない安心感を与えている。
 寺の周りには季節の花々が植えられ、時期になると花が咲き乱れ、美しさが一段と加わる。

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