向源寺

上田市常磐城二:池田 向一 住職
〔2015年5月29日掲載〕

 上田市常磐城二の向源寺は矢出沢川のほとりにある。
 1520年、浄空が開基となり上田原に創建した。現在地に移ったのは寛永三年(1626)。もともと同寺の支坊だった所に寺が再建された。平成五年には庫裡を建て替えた。
 永禄九年(1566)武田信玄は、この寺の境内に「陣を取ること」を禁じた朱印状を出しており、この朱印状は市指定文化財となっている。


俳人・小林一茶が数年過ごす

第十四世の換沼氏の時、俳人・小林一茶が訪れ、数年間をこの寺で過ごしている。換沼氏は本願時の学問の長である寮司(りょうす)であり和歌をやっていたことから一茶とは対応のおつきあいをし、親交が深かったといわれる。
 壁掛けや俳諧交遊録などのほか珍しい和歌のかえし「日数へし君のなさけそ旅衣立ワかるゝぞかなしかりける」と詠んだ短冊など貴重な数々が遣っている。
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