全芳院

上田市腰越:竹内 悟由 住職
〔2015年4月14日掲載〕

 上田市腰越の全芳院は丸子城跡(城山)の南山麓にある。東御市祢津臨川山定津院の末寺で、本尊は釈迦牟陀佛、脇侍は文殊・府賢の両菩薩。
 開創は天文22年(1553)で、開山は定津院第七世年室宗長大和尚(後に兵庫県永澤寺輪住、謚号大圓禅師)、開基は丸子城主丸子三右衛門の父、武田信玄の武将・依田肥前守。
 境内には、本堂、三門、開山堂、観音堂、位牌堂、衆寮、庫裡、鐘楼、経蔵等がある。平成2年、開山420回忌報恩事業で位牌堂建立、堂内には樹齢500年の木曽桧の寄せ木造り、像高3尺、総丈9尺の聖観世音菩薩坐像が納められている。造像は京都平安仏所、江里康慧大仏師。


 本堂は、江戸時代中期に50年ほどの歳月をかけて建築され、宝暦年間(1751〜63年)最終的に整えられた。当時の禅宗の建築様式をよくとどめていて平成17年、上田市の有形文化財に指定された。


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