法善寺

東御市常田:清水要晃 住職
〔2014年10月23日掲載〕

 明治初頭期に当地に於いて日蓮宗寺院建立の機運が昂まり、当時、東信一帯に積極的布教を行っていた飯山・本光寺21世小林日文上人がこれを受けて建立。しかし、明治初頭の情勢は新寺建立が困難な現状であり、静岡にあった廃寺の法善寺(天和元年創立)を移転する名目で認可を受け、明治28年に小林日文開基として移転建立となった。
 本堂、鬼子母神堂等、堂宇は七堂を数え、背景にある多くの樹木の新緑や紅葉が宗教的安らぎの雰囲気をかもし出している。
 参道脇にある島木赤彦の歌碑「七月に入りて雪ある遠き山 山門外に出で立ち見れば」は、大正13年に赤彦が、現在の東御清陵高校の母体である組合立の小県実科中学であった頃、教職員を対象に「万葉集」の講義に来た折に当山に泊まられたときの一句。昭和31年歌碑建立。
 本堂欄間には丸山晩霞の釈迦一代画(釈迦八相画)がある。これは大正6年に晩霞が弟子の関晴風、油井小渓と共に描いた逸作で、本年に欄間絵保護の方策を檀信徒の浄財を得て完了した。尚、同寺には晩霞画による「信察孝養の画」「日蓮佐渡塚原三昧堂の画」がある。以来法灯は連綿として37世に至っている。

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