岩谷堂 宝蔵寺

上田市御嶽堂:加藤 英純 住職
〔2013年12月28日掲載〕

 大岸壁にそそり立つ岩谷堂は平安時代初期、比叡山第三代座主慈覚大師円仁によって開かれた。お堂は安永6年(1778)建立。それ以前は本堂裏の「奥の院」と呼ばれる洞窟の中に安置されていた。


平景清公の遺品

 平家の猛将といわれた平景清は平家壇ノ浦で滅亡後一門の仇を討つべく旅の僧として鎌倉に向かう途中、同寺に立ち寄ったといわれる。景清を追って寵姫「楓の前」もこの寺に参ったが、景清が鎌倉で捕まったことを知りこの地に留まり景清と平家一門の菩提に生涯をささげたといわれる。景清公の遺品が寺宝として伝えられている。


義仲馬大門、義仲桜

 源義経は木曽の地を離れ、この地に来て依田氏の館に入った。信濃、関東の武将を集めて軍団を整え、この地で旗揚げした。義仲は戦勝祈願に同寺の観世音に参詣した折、馬で登った道が今でも「義仲馬大門」として伝わっている。
 また、義仲手植えの桜は「義仲桜」(樹齢八百年)と呼ばれ、今でも八百の春を告げている。


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