西光寺

上田市富士山:西川 秀伸 住職
〔2009年5月22日掲載〕

 上田市富士山の「西光寺」は、寺の伝えによると空海が大日如来・阿弥陀如来の仏像を彫刻し、小堂を建てたのが始まりと言われる。正応4年(1291)に塩田北条氏が開基となり、栃木県足利の鶏足寺の実勝和尚を迎えて開山した。
 江戸時代の延宝6年(1678)に前山寺の末寺となり、享保元年(1716)には本堂が再建、宝暦6年には山門が建てられた。弘化3年(1846)には本堂、庫裡などが火災で焼失したが、阿弥陀堂、山門は類焼を免れた。


県宝「阿弥陀堂」

 「阿弥陀堂」は平成元年に完成した修理工事で当初の形式に復元した。お堂の間取りの特徴は、内部を内陣・外陣に分け格子戸で仕切る形式。室町時代の密教系の小仏堂で一般的に使われた間取り。軸部の様式に禅宗の手法を多く適用している点も特徴の一つ。

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