瀧水寺

上田市殿城:大平 稔雄 住職
〔2006年3月10日掲載〕

 開基は、鎌倉時代正応年間(1290)の頃、慧算という法印が龍宮明神をまつる景勝の地を選んで一仏堂を創建し、真言密教加持祈祷を行ったことに始まると伝えられる。同寺が属する真言宗豊山派の総本山は「花のみてら」でも名高い奈良の「長谷寺」。

合祀墓「なむのえん」
 同寺ではお墓を受け継ぐ人がいない方のために合祀墓「なむのえん」を開設している。

住職のことば
「大日如来の世界」
 私たちは、自分の意思で生まれてきたわけではありません。また、長寿を願ったところで、自分の意志でそれを決めることもできません。私たちが「生きているのではなく、生かされている」という所以がそこにあります。私たちにはどうすることもできない、目には見えない存在とはたらき、それを真言宗では大日如来のはたらきであると説いています。
 すなわち私たちは大日如来の世界から生まれ、その役目を果たせば、年齢にかかわらず大日如来の世界に帰っていきます。それゆえ、すでに大日如来の世界に帰られた方々には実際に居られるがごとく丁重な供養をしてさしあげ、自らがその使命を終えたときには、感謝の気持ちをもって、静かに大日如来の世界に帰れるよう、ふだんの信仰にはげみたいものです。
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